ツナグマデザインを知ってください(発注。その前に)
ツナグマデザインは自己紹介を諦めている
今ここを読んでくださっている方。
ツナグマデザインに興味を持っていただき本当にありがとうございます!
そして、ごめんなさい。
ここは一般的な意味での自己紹介にはならないかもしれませんので先に謝っておきます…
というのも、筆者(以後この1人称でいきます)はできるだけ多くの人に理解されたいとは思っていないのです。
というより、現時点ではそれを諦めています。
色々頑張ってきましたが「10人中9人くらいからは誤解される」のが統計的に判明しています。
きっと宿命なのでしょう。
それでも、今まで15年くらいは人類全員にツナグマデザインの価値を知らしめよう!
それこそがクリエイターの矜持だ!的な感じで色々試してきましたが、
やればやるほど逆効果なのに今更気付いてしまいまして…
それには構造的な根拠もあったりするのですが、まぁともかくこういう形で
「10人中1人だけに伝わればいいや」
で振り切らせてもらってます。
その代わりに、その1人には全力で向き合います!
これを読んでいる方が「10%の方」だと願って、駄文を書き連ねようと思います。
ぜひ、判断材料にしていただけると幸いです。
ツナグマデザインには普通のデザイナーの2倍の能力がある
すごく嘘っぽいですよね。地雷感がすごいのも分かります。
仮に、自分が依頼者だったら、「ボクは他の雑魚より2倍の能力があるよ」
なんて言ってる人になんて絶対発注しません。
怖すぎます。
ただ、残念ながら「本当」なんですよね。
本当に2倍かそれ以上の能力があるんですよね。
最初に書いた通り、この後は一旦信じる寄りの方のみが対象ですから、
頑張って説明しますね。本当に付き合ってくださりありがとうございます。
デザインには設計と意匠がある
日本語における「デザイン」という用語には、一般的に両義性が確認されています。
それは
1 「美しいものを作る」的な、文化や芸術的な視座でのデザインと、
2 主にエンジニアが行う、「機能するものを作る」的な科学や工学が視座のデザイン。 の2つです。
筆者としては前者を「意匠」、後者を「設計」と言い分けていますが、
結局これらは綺麗に分かれているとかでもなく、どちらかが色々内包したりもするので、
言葉としては運用実態がめちゃくちゃなのが実情です。
人によって表しているものがバラバラで、さらにはそのバラバラ具合にすら無自覚なのも普通です。
そして当然、これがまさに混乱の原因だったりもします。
どういうことかというと、例えばクライアントが「Webデザインだけください」と発注することが、ツナグマデザインの業界(Web界隈)だと不自然ではないですが、
その場合のデザインって何を意味しているかというと「Webの見た目」の話です。
しかし、エンジニアリングの世界には「システムデザイン」という言葉もあります。
システムデザインの場合は、大抵は見た目の話はそんなにしないでしょう。
ということで「デザイン=全部」とも捉えられちゃいます。
じゃあ、何を発注されたの?となりますよね。
まぁちゃんと大混乱をしているわけです。
設計7:意匠3くらい
そこで、混乱を防ぐためにツナグマデザインの場合の「デザイン」をはっきりさせますと、
「設計と意匠どっちも分けずにデザイン」になります。
というか、この2つって本来は一貫性を持って行うのが望ましいのです。
特にツナグマデザインの業務領域の「ブランディング・Web」あたりだと、設計と意匠をバラバラに行うメリットがほぼありません。
しかも順番も明確に決まっていて、
「設計をしてから意匠を決める」がツナグマデザインのやり方です。
重要度で言うと、「設計7:意匠3」くらいの感覚なのです。
ここら辺が「デザイナー=意匠ラー」と無自覚で決めつけている方と、
全然話が噛み合わない理由ですね。
(今読んでいる方からしたら、当たり前すぎる話かもしれませんが)
設計とは「相手の裏をかくこと」
じゃあ設計ってなんだよ?の答えですが、
あまり真面目に論じ過ぎるとデザイン科学の領域になってしまって大変なので、
あくまでツナグマデザインの実務領域の範囲で定義すると
「相手の裏をかくこと」となります。
は?となった方。正常です。今初めて言語化して自分でもびっくりしてます。
でも、それが合っているのです。
ここは丁寧に論理を追ってちゃんと説明しますね。
ふわっとしていないと設計じゃない
大前提として、ツナグマデザインは「意匠だけの仕事は断ります」
理由はもうお分かりだと思いますので省略しますね。
なので、ほぼご紹介のお仕事しかやらない状態の中、
そもそも「意匠じゃないところで困っている人」からしか依頼が来ません。
もちろん、あくまでデザイナーではない依頼者の方なので、
はっきりと言語化したり定義しているわけではないにしろ
「見た目だけやっても意味なさそうだな」感がある状態で、
噂を聞きつけてお話をいただける。と言う状況です。
そして、この場合の設計とは「意匠の前にやるべき何かの作業」程度の意味しかありません。
なぜなら、依頼者も「具体的に何を頼めばいいのかわからない」状態だからです。
(ちなみに、こういう「大事な何かがふわっとしてるやつ」はツナグマデザインの主戦場です)
設計とは、明確な定義ができない作業であるのが本質かもしれないですね。
裏をかいて欲しい人が依頼しているし
で、そんな状況の依頼者に対して、
自信満々な感じで
「まずは、目的を明確にしましょう。その後で問題を構造化して、最適な設計を行い、最後に設計を元に意匠を作成します」
と言い返したらどうなるでしょうか?
まぁ、依頼者からしたら「うるせー。だからそれを頼んでんじゃん」** となりますし、
「設計の定義」的にもトートロジーです。
ふわっと感で言えば、依頼者と同じレベルなのもきついです。
そこで、「相手が予想して無かったことを言うのは設計の必要条件である」
というのがツナグマデザイン流の態度です。
要は「裏をかくのは義務。というかそれを期待している」に収束します。
なぜなら、依頼者が自分で予想できる範疇に答えがあるのならば、
とっくに解決していて筆者のところに来るはずがない。
逆に言えば、ツナグマデザインに話が来た時点で「裏をかく一択」になります。
そして、意匠の前に何かしらの工程が必要。という定義と整合性をとると
「設計=裏をかくこと」に、ついなってしまうのです。
Webデザインを頼まれたけど、動物ステッカーをおすすめした
まだ、は? ですよね。 設計の例を書きますね。
ある依頼者がWebデザインを頼んできました。
「どういうふうにすればいいんですかね〜?」
な温度で、ちゃんと「ふわっと」していました。
ここで「Webとはこうあるべき論」を語ると予想内になっちゃうので、
「Webなんかやらずに、動物のステッカーを作るべきだ」と言いました。
これが設計です。
ん?書いたけど意味わからないですね。
まぁだとすると、やはりこれは正しい「設計」だったというわけです。
意味がわかる=予想内。ですからね。
ちなみに、この依頼者は最終的にかなり喜んでくれました。
(当然納得感がある内容だったのですが、詳細を説明すると長くなるので省略します)
ここで大事なのは、
設計をしなかったら意匠は「Webデザイン」になってましたが、
設計をしたので、意匠が「動物ステッカー」になったことです。
ここら辺が、ツナグマデザインが設計と意匠の一貫性を大事にしている理由です。
やること変わっちゃうから意匠だけやっても意味ないよ。 ってことですね。
多分、ここまで読んでくれている方には100%伝わっていると思います。
裏をかくには論理が必須
残念な話ですが、裏をかいたところで、相手が納得するかは別問題です。 そして、ビジネスの場において相手を納得させられる要素は3つしかないです。
- 定量データ
- 権威
- 論理
これらが、一般的にビジネスパーソン納得三種の神器です。 しかし、1のデータについては、筆者としてはかなり文句があるので、 一旦無視します(そのうち書くかもですが、定量データは詐欺師が悪用しがち問題があると思ってます)
2も、筆者にはないので諦めます。
ということで、残った3の論理を使うしかないという感じで筆者は育ってきました。
論理というのも、どの程度厳密に定義するかで大学行きなおせ。的になっちゃうので。 (ちなみに筆者は大学行ってませんが) 軽めに「高校レベルくらいの形式論理+ビジネス用語+飛躍(アブダクション)」にしてます。 細かい話は書きませんが、さっきの「動物ステッカー」すらも、 ある程度形式的な論理構造を元に、依頼者にプレゼンしました。
ここら辺は苦労自慢になっちゃうので省きますが、 「予想外を形式論理的に説明できる」のがツナグマデザインのウリであり、特有の能力と思ってください。 で、そのことを筆者としては「アイデア」と呼んでます。 要はアイデアパーソンですね。 (そういうと一気にしょぼくなりますね)
開発とデザインは、カレーとシチューくらい同じもの
「もやっとしたものを論理構造にできる」力は、 別にデザインだけに使えるものではありません。 システム開発とかも、最初の状態ってモヤっとしてますよね。 このモヤっとを晴らす作業を一般的に「要求定義とか要件定義」とか言いますが、 工程としては99%デザインの設計と同じです。 もう一度言いますが「99%同じ!!」です。 違うのは必要な前提知識だけで、頭の使い方から依頼者への説得の仕方まで、ほぼ同じなんですよね。
は?証拠は? って言われたら「はい。私が両方やっているからです」と答えます。 もうこの自己紹介の筋がわかりましたね?
この「デザインも開発も同じ」 が、ツナグマデザインの世界観だったりします。
カレーとシチューくらいの差です。 味付けが違うだけ。みたいな。
ツナグマデザインには本当に普通のデザイナーの2倍の能力がある
ツナグマデザインの主張をまとめると、
- デザインには設計と意匠がある
- 設計と意匠は一貫性を持った方がいい
- 設計は「依頼者が思いつかないこと」が定義
- ただし、依頼者の納得は必須
- 納得させる道具は「論理」
- 論理はデザインと開発で共通
結果的に「論理が得意」ってことが
- 設計だけのデザイナー → UXデザイナーとかでいるかもだけどあんまいない?
- 意匠だけのデザイナー → 95%以上はこのタイプかと
- 設計だけのエンジニア → いわゆる上流の普通のPMとか
の人たちの仕事をツナグマデザイン1人で完結できる能力に結びついているので
「ツナグマデザインは2倍かそれ以上の能力がある」
です!
しめ
以上、ツナグマデザインの自己紹介でした。
伝わっていれば嬉しいです。
最後に、関わり方だけ軽く書いておきます。
ツナグマデザインの仕事はだいたいこんな流れです。
- まず話を聞きます(要件が固まってなくてOK)
- 「こうするといいと思いますよ」をツナグマデザインから提案します。
- 提案がよければ商談へ。ダメならごめんなさい。
2の時点で合う人には、かなり楽な進み方になると思います。
合わない人でも3の段階でごめんなさいできますので、お互いノーリスク。
逆にいうと、合わないのに続ける場合は筆者は地獄だと思うので、
そういう意味でも、ここまで読んで判断してもらえていたら十分です。
ありがとうございました!
(背景の話:ツナグマデザインがこうなった経緯は別ページにまとめる予定です。できたらここにリンクを置きます)
※本記事は筆者の経験と哲学を率直に記したものです。 実際のプロジェクトでは、ヒアリングを通じて個別に提案内容を決定します。