コミュニケーション基盤の整備

事前準備フェーズで設計したオブジェクトが、実作業フェーズで実際にINとOUTを観測できる状態に乗るには、走り出す前にコミュニケーションのルールを整えておく必要があります。

なぜ事前に決めるのか

摩擦の発生源は認識齟齬である

人間の特性として、自分の役割、自分が出すべきもの、誰にどう報告するかが事前に明確であれば、メンバーは安心して動けます。逆に、どれか一つでも曖昧なまま走り出すと、曖昧な所から摩擦が生まれます。

プロジェクトで起きる揉め事の大半は、能力や悪意の問題ではなく、認識齟齬から来ます。事前に決めて全員で握っておくことが、対人摩擦への構造的な対策になります。

PM術は事前の組み立てに重心を置く

PM術のメンバーマネジメントは、事前の組み立てに重心を置きます。事前準備フェーズの設計では決めきれず、漏れやすいコミュニケーションの詳細を、走り出す前に決めて全員に共有することが、進行中の摩擦を最小にします。

何より大事なのは、事前に決めておくことそのものです。コミュニケーションの取り決めは、決まらないまま走り出すことが多いからです。中身が何であれ、決まっていることが事前にメンバーへ示されている状態を作ることが、コミュニケーション基盤の整備のゴールです。

漏れやすい項目の見本

決めるべき項目の中身は、プロジェクトごとに変わります。次の一覧は、漏れやすい項目の見本で、全部を決める必要はありません。何を決めるかは、プロジェクトに応じてテーラーしてください。

  • 各オブジェクトのOUTを、どのメディアで、誰に、いつ通知するか
  • メンバー間の日常的なやり取りに使うチャネル
  • 定例会の頻度、参加者、議題の扱い
  • メンバーがPMに相談・質問するときの経路
  • メンバーが異常を検知したときの連絡経路
  • クライアントとの連絡窓口を誰が担うか
  • ドキュメントや成果物の保管場所と命名規則
  • 連絡が取れる時間帯と、返信までにかかる時間の目安